怖い話はおすきでしょうか?私はもちろん大好きです!
怖い話といえば、「怪談」。「実話怪談」というジャンルが怪談界隈の中では人気ですが、そういえば実話怪談と都市伝説の違いってなんだろう?と思い、記事にしてみました!
目次
実話怪談と都市伝説の性質の違い
実話怪談の定義とリアリティ
実話怪談は、「本当にあった不思議な話」とされ、そのリアリティが怪談の恐怖の本質だ。現代怪談好きのスタンスは、「不思議な現象を体験した人がいるらしい」という体験が実際にあったと信じ、怖がることに価値を見出している。怪談は古くから存在し、その物語構造は時代を経ても変わらない部分があるが、テクノロジーや社会の発展によって生活スタイルが変化すると、怪談は素早くそれに対応する。
都市伝説の定義と社会的共有
都市伝説は、一般的には広く信じられているが真偽がはっきりしない話や現象で、社会的共有が重要な要素となっている。都市伝説は、実話怪談とは異なり、その出典や真実性に疑問が投げかけられることがあり、人々に強いインパクトを与え、口コミで広がることが特徴である。
現代人が恐怖を感じる要因
リアリティの変化とテクノロジーの影響
現代人が恐怖を感じる要因の一つとして、テクノロジーの発展により生活スタイルが変化することが挙げられる。例えば、スマートフォンやインターネットの普及により、新しいサービスやガジェットにまつわる怪談が誕生している。これにより、現代人は怪談に抱く「リアリティ」が変化し、新たな恐怖を感じる。これが、実話怪談がリアリティを持って語られる所以であろう。
社会的共有による恐怖の増幅
一方で、都市伝説は、社会的共有が重要な要素であり、その共有によって恐怖が増幅されることがある。例えば、SNSやインターネット上で拡散される都市伝説は、多くの人がその話に触れることで恐怖心が広がる。また、友人や知人から聞いた話として伝わることで、現実感が増し、より恐ろしく感じられることがある。
実話怪談と都市伝説の本質的な違い
実話怪談は個人の体験に基づく物語であり、語り手の信頼性や体験者の証言がその信憑性の根拠となる。これに対して、都市伝説はその出自がはっきりしないことが多く、事実に基づいているかどうかが不確かだ。これにより、実話怪談は真実味を持ち、都市伝説はあくまで噂の域に留まることが多い。
また、実話怪談は特定の個人が特定の場所や状況で経験した出来事を中心に物語が展開される。対照的に、都市伝説は個々の体験ではなく、より一般的な社会や文化の背景を基盤とした物語が展開される。
以上の分析から、実話怪談と都市伝説は、信憑性や焦点、文化や社会的要素において本質的な違いがあることがわかる。実話怪談は個人の体験に基づく信憑性の高い物語であり、都市伝説はその出自が曖昧で、広範な社会や文化に根ざした普遍的な物語となっていると考えられるだろう。
まとめ
実話怪談と都市伝説は、それぞれ異なる性質を持ちながらも、現代人に恐怖と娯楽を提供している。実話怪談は、リアリティが恐怖の本質であり、テクノロジーや社会の変化によってそのリアリティが変化することで、新たな恐怖を感じさせる。一方、都市伝説は、社会的共有による恐怖の増幅や、コミュニケーションの一環として楽しまれることがある。現代人が怪談や都市伝説に惹かれる理由は、これらの要素が絡み合っているからこそだと言えるだろう。
参考文献
・吉田悠軌(2022)『現代怪談考』晶文社
・日本人は何を怖がってきたのか――現代怪談の変遷|文化|中央公論.jp (chuokoron.jp)